リノベーション会社の選び方
後悔しない!リノベーションの会社・業者の比較と選び方。失敗例や見極めるポイントを公開!
近年ではリノベーションに対する関心の高まりとともに、リノベーションを取り扱う施工会社も増えました。またネットで検索すれば、さまざまなリノベーション会社の名前が見つかります。
そのぶん、数多くの会社の中から、後悔しないようにどこを選んだらいいのか悩むのも正直なところです。
そこで今回の記事では、リノベーション会社を選ぶときに役立つ情報として、注意すべき会社、施工会社の選び方などを紹介します。
Contents
なぜ会社選びが重要なのか?
リフォームと似たような工事だから、別にどこに依頼してもいいのではと思いがちです。しかし、リノベーションは、そのほとんどが大規模な工事であり、部分改修するリフォーム工事とは大きく異なります。
解体してみないとわからないケース、施工内容によっては臨機応変に対応しないといけないケースなどもあり、新築と比べても工事の難易度が高くなります。
さらに耐震補強、断熱性能を高める工事などを手掛けることもあり、専門的な知識やノウハウ、経験が求められるケースが少なくありません。
実は施工会社によって、「新築はできてもリノベーションはできない」または「設備機器を交換するなどの小さなリフォームしかやったことがない」という会社も存在します。
こうしたことから、リノベーションにおける会社選びは、とても重要だということを理解しておくと良いでしょう。
会社選びにまつわる4つの失敗事例
初めにご紹介するのは、施工会社を選ぶときにやりがちな失敗例です。下記のことに注意しながら、早々に契約するのではなく慎重に進めたいものです。
比較をせず、1社だけて決めてしまった
さまざまな箇所に手を加えるだけに、リノベーションは手間と時間がかかります。当然のことながら見積り依頼をした場合、施工会社との打ち合わせに多くの時間を割かなければなりません。しかしそこで面倒だからといって、1社だけで話を進めてしまうのは避けたいところです。
例えば3社程度に声がけをして比較することで、費用だけでなくデザインに関する提案、技術力、対応の良さなどの違いがわかります。
なお、ここで注意したいのが、「高い・安い」という費用面だけで比較しないことです。
建築資材には、松竹梅があります。職人の腕もピンキリで、どれだけのレベルがあるかで仕上がりが全く変わります。同じ工事内容でも価格差がある場合、それらを調整した違いということです。
もし、比較して安い場合、安かろう・悪かろうの施工の可能性があり、高い場合には高いなりの根拠に基づいた理由があります。比較する場合、そういった部分を細かに分析するということで、施工会社を見極めることができます。
大幅な値引きで契約した
リノベーションは、決して安い買い物ではありません。そのため価格に関する失敗例が多くみられます。その中でも気を付けたいのが、「根拠のない大幅な値引き」をしてくるケースです。
この手のセールスをしてくるのは、ノルマ達成しか考えていない施工会社の営業マンが大半です。
「今日契約していただいたら、大幅値引きいたしますよ」といったトークが中心で、詳細な値引き理由などは語りません。
では、どうして根拠のない大幅な値引きが問題なのでしょうか。
大幅な値引きをするためには、できるだけ施工時間を短縮したり、未熟で安い職人に依頼したりなどをする必要がでてきます。最悪の場合、手抜き工事をされることも考えられ、結果的に不良施工につながる危険性があるということです。これは沢山の職人を抱えている大きな会社にありがちのケースです。
このほか、追加請求してくるケースもあり、「根拠のない大幅な値引き」には要注意です。
追加工事で、当初の予算を大幅に超えてしまった
リノベーションの場合、解体してみて初めて問題が見つかることがよくあります。
例えば、一見問題がないように見えたのに解体してみたら、柱・土台などが腐っていたり、配管が劣化し漏水がしていたりなどが見つかるケースです。
上のグラフは、リフォーム・リノベーションを実施した方で「実際にかかった費用が予算を上回った」と回答した方の「予算を上回った理由」を表しています。「想定外の修繕」は、グラフ中では28.3%を占めています。
そうした想定外のケースが起これば、リノベーションプランの見直しによる追加工事が発生。結果的に、当初の予算が大幅にオーバーする可能性が高くなります。
大手の施工会社にしたら、予想以上に費用がかかった
テレビなどの広告で見かける大手ハウスメーカーや大手リノベーション会社なら、一定の品質を確保されるだけでなく、実績も豊富です。
しかも、リフォームから耐震補強工事や大規模なリノベーションまで、幅広く対応できるので、安心してお願いすることができます。
その一方で、そうした大手系の施工会社の場合、設計や施工などを下請け会社に依頼することが多く、中間マージンがかかるため、トータルコストが高額になる傾向にあります。
大手系に依頼する場合には、そうした側面も視野に入れて検討しましょう。
施工会社を見極める7つのポイント!
では、どんな基準で施工会社を選べばよいのでしょうか。見極めるのに役立つポイントとして、以下の7つをご紹介します。
- 物件探しからサポートしてくれる
- 専門家による、事前の建物診断がある
- プロ(建築家)ならではの、プラスαの提案力がある
- 注文住宅の実績が豊富にある
- 資金計画における、幅広いフォローがある
- 地元に根付いた会社である
- 保証・アフターメンテナンスが充実している
それぞれのポイントについて解説していきましょう。
物件探しからサポートしてくれる
リノベーションをする場合、中古物件を購入して手を加えるケースがあります。
そのような場合、不動産のプロ、または不動産部門のあるリノベーション会社を選べば、中古物件探しのサポートはもちろん、プロ(ホームインスペクターや耐震診断士)の同行による物件の良し悪しの判断、物件に適合するプランニングまでトータルで相談が可能です。
物件探しの煩雑さから解放され、安心してリノベーションが進められます。
専門家による、事前の建物診断がある
リノベーションでは既存の建物を改修するだけに、事前に何がどこまで老朽化しているのか、詳しく調査する必要があります。
もし、見えるところだけを経験値で診断すると、解体したときに想定外の不具合が見つかることも。その結果、追加工事が発生し、費用が大幅に増えることになりかねません。
そこで施工会社に求める条件としては、専門知識・技能を有する住宅診断士(ホームインスペクター)や設計士が事前に建物診断をしてくれることです。
それら専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所を見極めることで、補強工事なども含め確かなリノベーションを実現することができます。
プロ(建築家)ならではの、プラスαの提案力がある
これから計画しているリノベーションをより良いものにしたいのであれば、プラスαの提案が期待できる施工会社を選ぶことです。
心地よい暮らしのために、どのようなデザインにしたらいいのか。四季の変化を感じられるよう、採光や通気性などをどのように取り込むことがベストなのか…。プロ(建築家)ならではの提案があることで、想像を超えるリノベーションが実現できます。
なお、提案力のある施工会社を見極める方法は、営業スタッフをはじめ、熟練したプロのリフォームアドバイザーやインテリアコーディネーター、社内建築家が在籍し、トータルで取り組む体制が整っていることが目安になります。
注文住宅の実績が豊富にある
新築はできても、リノベーションはできない。または設備機器を交換するレベルのリフォームしかやったことがないという業者も少なくありません。
特にリノベーションでは、既存の戸建てやマンションに手を加えるため、新築を建てるよりも高度な知識や経験、ノウハウが必要になります。 特に最新の新築性能(耐震性、断熱気密性能)の進化は目覚ましいものがあり、10年ほど前の家と比べても、性能値は雲泥の差があります。
そこで施工先として選ぶなら、最新の住宅性能や商材のノウハウを熟知した、注文住宅の実績が豊富な会社が望ましいとも言われています。
また、そうした施工会社であれば、優れた建築士が在籍している可能性が高く、普通のリフォーム会社ではできないリノベーションを実現してくれるでしょう。
資金計画における、幅広いフォローがある
設計自由度の高いリノベーションでは、さまざまな要望をカタチにできます。しかし、実際に実現可能な資金計画を立てないことには話が進みません。
そこで選びたいのが、補助金・助成金、減税のアドバイスが受けられるとともに、資金相談から住宅ローンの申請までフォローしてくれる施工会社です。
資金計画では、ローン会社や保険会社などと共同で行える体制があり、住宅ローンの1本化(建物購入費とリノベーション工事費)もできる施工会社が便利です。
地元に根付いた会社である
長く暮らしていれば、例えば鍵やドアノブの交換や蛇口の水漏れなどの小さな修理、網戸、障子、襖の貼り換えなどの小さなリフォームなどもあるでしょう。
地域密着型の施工会社であれば、そうしたケースでも快く相談を受けてくれるだけでなく、迅速な対応が期待できます。
ただし、いくら地域密着型といっても少人数の施工店では、人手が足りないため、手がまわらない傾向にあります。体制の整った大きな工務店を選ぶことが賢明といえるでしょう。
保証・アフターメンテナンスが充実している
リノベーションでは大規模な工事となるため、工事完了後に不具合がでる可能性を考えなければなりません。また、工事自体に問題がなくても、住んでから「ちょっとした修繕をお願いしたい」などのケースもでてきます。
そこでリノベーションを依頼する前に、必ず工事保証とアフターメンテナンスについて確認しておくことが大切です。さらに、工事保証とメンテナンス内容が充実している施工会社を選びましょう。
要注意な施工会社とは?
施工会社を選ぶ目安は、上記でお伝えした施工に関わるものだけとは限りません。以下のように、いくつか注意しておきたい点もあるので紹介します。
最新の住まい性能を把握していない
リノベーションでは、間取りや設備、内装まで丸ごとリニューアルすることが可能です。さらに、耐震性・断熱性などの住宅性能を最新の水準に引き上げることができるのも魅力といえます。
そうしたとき施工会社に求められるのは、つねに最新の住まい性能を知り、それを実現できる技術力です。
もし、設備機器の交換などをメインとするリフォーム会社に依頼した場合、対応できる施工に限界があり、リノベーションの可能性を狭めてしまいます。
耐震性、断熱・省エネ性などの住まいの性能は、時代とともにどんどん進化しています。もし、最新の住まい性能について把握していないようであれば、依頼することを再検討してみましょう。
少人数のスタッフしかいない
リノベーションは大がかりな改修工事になるため、設計、外装・内装、屋根、設備、電気などの工事、現場管理や検査など多くの工程が必要になります。
リノベーションでは、各工程において専門性の高いプロがチカラを発揮することで、完成度の高いリノベーションが実現します。
これを少人数の施工会社に発注した場合、あらゆる工程を兼任することになり、一つひとつの工程に対する作業負担が増えます。
その結果、施工中のミスが起きやすくなり、施工品質が低下する恐れがあります。
さらに人数が少ないぶん、アフター対応がおろそかになることも考えられます。特に風水害や震災の際は、ちょっとした修理要望などは、すべて後回しになるケースも。そのためアフター部門の有無、人数なども事前に確認が必要といわれています。
まとめ
リノベーションでは費用が高額になる傾向にあるため、安価な見積りを提示する施工会社を選びそうになります。
しかし、安さ重視で業者を選んだ場合、思い通りの施工ができない、不良施工につながるなど、後悔する結果になりかねません。
上記で紹介したことを踏まえ、適正価格で確かな施工ができるコストパフォーマンスの良い施工会社を選びたいものです。
【監修スタッフ】
無垢スタイルのリノベリフォーム 立石英之
耐震技術認定者 / 増改築相談員 / 既存住宅アドバイザー / 雨漏り診断士 / 外壁診断士
一戸建て、マンション、店舗などリノベーション専門の建築家とコンサルタントと一緒にデザインとコストを意識しながら理想の暮らしを実現していきます。また、中古住宅を購入してリノベーションでは、中古住宅探しからお手伝いをさせていただきます。このスタッフのブログを見る