2013.12.13FRI資金計画
長期優良リフォーム制度 ?住宅市場情報
国土交通省は10月、2014年度から実施予定の「長期優良リフォーム制度」の第2回検討会を行い、
制度の具体的な内容を明らかにしました。
長期優良リフォーム制度の性能基準を、「クラスS」と「クラスA」の2段で構成する案を打ち出しています。
ここで「長期優良リフォーム制度」のおさらいですが、この制度はリフォームで耐震性などを高めた
中古住宅を「長期優良住宅」と認定する新しい制度です。
これまでは新築住宅のみを対象としていた制度を、中古住宅にも適用することで、
リフォームして家をもっと長持ちさせようとする人達を増やすことと中古住宅を安心して買えるように
分かりやすくすること狙いとしています。
その背景に日本の固定資産税評価方法が、木造では築20~22年経てば、
一律で建物の価値がゼロになるというしくみであることは多くの方が知っていることと思います。
それは、手入れの行き届いた家であろうと、ずーっとほったらかしにしていた家であろうと、関係なく
築22年以上の建物の価値は0ということです。
中古住宅を買う人にとっては長期優良住宅に認定された住宅を購入した場合、
「住宅ローン減税」の所得税控除額や不動産取得税の控除額が一般の住宅よりも大きくなるほか、
固定資産税の軽減期間の延長、登録免許税の税率引下げといったメリットを受けることができます。
住んでいる家を売却する人にとっては築22年以上の建物の価値が”0″(ゼロ)だった為に、
仮に性能的に問題が出ても心情的にリフォームに二の足を踏んでいたのが売却する際に
その価値が加味されることで、リフォームすることに価値が生まれることです。
さて、「クラスS」 と 「クラスA」 の2段の性能基準ですがそれぞれ評価基準は、耐震性、省エネルギー性、
劣化対策、維持管理、更新の容易性などを中心に設定され、下記の2ランクを想定しています。
1)認定基準「クラスS」
・リフォームにより、新築の長期優良住宅と同程度の性能実現を目指す、
上位基準。
・法に基づき「長期優良リフォーム住宅」の認定を取得できる。
2)準ずる基準「クラスA」
・長期優良リフォーム(クラスS)に準ずる水準を目指す基準。
・法に基づく認定は取得できないが、
「性能向上リフォーム住宅」としての第三者評価を取得できる。というものです。
要件を満たすための流れは、次のようになる見込みです。
1)リフォーム前にインスペクションで現況検査を行う。
2)リフォーム後に評価機関の発行する適合証等で性能を評価する。
3)長期優良リフォーム住宅の認定や、性能向上リフォーム住宅の第三者評価を取得。
これらのインスペクションや評価時の資料は、住宅履歴情報として保存・活用されます。
さらにこの制度と連動して、「長期優良化住宅リフォーム推進事業」も検討中。
これは、インスペクションや一定の性能の向上、維持保全計画の作成をする既存住宅のリフォームについて、
補助金がもらえるというもの。
補助額の上限は1戸当たり100万円(補助率1/3)の見込みですので、耐震や省エネ・断熱などの
大掛かりなリフォームを検討中の人にとって、期待できそうな内容となっています。
とは言ってもこれらの制度は、現在検討中。
具体的な基準や手続き、インスペクション事業者の位置づけや、既存の耐震改修補助・省エネ改修等の
補助・税制優遇との整合性といった詳細についてはまだ分かりません。
ですが、国の力の入れようが見られます。詳細の発表が期待されます。
今後の動きも注目です。無垢スタイルでも既に既存住宅のホームインスペクションの問い合わせを多数頂いております。
お気軽にご相談ください。