こんにちは!リノベ・リフォーム部門の須賀満(すがみつる)です。
11月21日ということで、立冬の末候、「金盞香(きんせんかさく)」もいよいよ終わり、
もうすぐ小雪の初候「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」に入ってきます。
小雪の文字からもわかるとおり、北国では雪の便りも見え始め、一気に冬支度へ入っていく季節です。
来月になるとクリスマスや大晦日、お正月と様々なイベントがせわしなくやってきますが、
それと同時にやっておきたいお庭のメンテナンスとして、樹木の剪定があります。
樹木にはそれぞれ剪定の適期というものがありますが、
落葉樹であれば冬は一番大きく枝を切ることができるタイミングです!
今回は基本的な剪定の考え方についてお話するので、
お庭の木が大きくなりすぎてしまったという人や、
今後あまり大きくしたくない人もぜひこの記事を読んで剪定に挑戦してみてくださいね!
剪定時期
さて、まず木を剪定するときに最初に当たる壁として挙げられるのはいつ、
どこをどのくらい切ったらいいかわからないということだと思います。
木を切る時期ですが、落葉樹は冬の休眠期に枝を切ることができます。
というのも人が大きな手術をするときに全身麻酔をして眠っている間に手術をするように、
樹木も休眠中に切った方が負担が少ないのです。
休眠中は樹液の流れも遅いので、傷口から樹液がどんどん流れ出たりすることもありませんし、
気温も低いので雑菌が入り込むリスクも少ないので、
種類にもよりますがある程度大きな枝でも切ることができます。
逆に常緑樹の場合は寒さに弱いものが多いので、
厳寒期(12月~2月頃)は避けて、3月下旬~4月下旬頃の新芽が出る前に切りましょう。
コニファーなどの針葉樹は寒さに強いですが、
芽が出る直前に切った方が枝葉のバランスがよくなるため、3月~4月頃が適期となります。
シンボルツリーとしてよく植えられるシマトネリコなどの樹勢が強い種類の木は、
どんどん枝が伸びるので年に数回剪定する必要がありますが、
真夏に大きく枝を切ったりすると、傷口が塞がらず腐朽していったり、
急に幹に日が当たったり葉が少なくなることで起こる「幹焼け」という現象が起きて、
最悪枯れてしまうことがあるのでご注意ください。
剪定方法
次に、どこを剪定するかですが、最初に忌み枝と呼ばれる生育に悪さをする枝を切り落としましょう。
忌み枝を簡単にいうと、他の健全な枝に干渉したり、余計な養分を持って行ってしまう枝のことです。
具体的には
- ・他の枝の近くに平行に生えてしまっている枝
- ・枝に絡みついているような枝
- ・幹の内側に向かって伸びてしまっている枝
- ・真上に伸びている立枝
などがあります。
そのような枝は残していると風通しが悪くなって虫や病気が発生する原因となったり、
他の健全な枝の養分を奪ってしまったりするので、
落葉して全体の枝が見えやすいこのタイミングで切ってしまいましょう!
また、枯れ枝も全部根本から切り落とします。
これだけでだいぶすっきりしたかと思います。
そのあとようやく全体的な剪定に入っていきますが、
ここで切るポイントとしては、基本的に枝分かれしている枝の片方を根本から切り落とすことです。
基本的には全体的なバランスを見ながら。込み入っている枝や大きく伸びている枝を切ります。
小さくしたり、大きさをキープしたい場合は、大きく伸びている方の枝を切り落としましょう。
剪定箇所
剪定したい枝を決めたら実際に切っていきます。
先ほど根本から切ると言いましたが、実際には切るポイントがあります。
そこで下の画像を見ていただきたいのですが、皆さんはa.b.cのどこで切るのがいいと思いますか?
ここですっきりとaの位置で切りたくなる人もいるかもしれませんが、
実際に木の負担が一番小さいのはbの箇所になります。
この枝の根本にあるしわしわの部分はブランチカラーと呼ばれる部位で、
枝の栄養が一番蓄えられていて、活発な細胞が多く集まっている場所です。
ここを残すことで、切られた傷口から菌や虫が入る前に傷を塞ぐことができます。
実際に傷口が塞がると下の画像のような感じになります。
切り口が盛り上がってこぶのようになっているのがわかるでしょうか?
このように樹皮が覆いかぶさって傷口を塞ぐのですね。
これをaのところで切ってしまったり、cのところで切ってしまうと、
治す力が足りなかったり幹にダメージを受けたり、そこから菌が入ったりして腐朽してしまうのです。
あまり大きな枝を切ってしまっても傷が塞ぎきらず枯れてしまう原因となるので切りすぎは注意しましょうね。
木の栄養はその多くが枝に貯蓄されているので切りすぎてしまうと枯れてしまいます。
剪定のポイント!
さて、長くなりましたが最後に剪定で失敗しないためのポイントをいくつかまとめましょう。
- ・剪定に適した時期を守る!
- ・枝は途中で切らず、分かれ目で切る!
- ・大きくなりすぎた木は一気に小さくしようとせず、毎年少しずつ切って小さくする!
- ・あんまり太い枝は切らない!
木の種類にもよりますが、剪定する量を全体の3割程度に抑えてあげると失敗はしにくいと思います。
ぜひやってみてくださいね!
また、ご自身でやるのは難しいという方は、
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